ホワイトハウスで起きた不可解な殺人事件。挑むのは、世界一風変わりで天才的な探偵コーデリア・カップ!
今回はNetflix『ザ・レジデンス』視聴後の感想をあらすじ、キャスト紹介を交えてお伝えしていきます。
『ザ・レジデンス』作品概要とあらすじ
作品情報
- 原題:The Residence
- ジャンル:ミステリー / コメディ
- 公開日:2025年3月20日
- 制作:ションダランド / ポール・ウィリアム・デイビス(脚本)、ションダ・ライムズ(制作総指揮)
- エピソード数:全8話
- 配信プラットフォーム:Netflix
- 日本語吹き替え:あり
ションダランド(Shondaland)は、アメリカのテレビプロデューサーで脚本家のションダ・ライムズが設立した制作会社で多くのヒットドラマを生み出しています。
代表作:
・「グレイズ・アナトミー (Grey’s Anatomy)」:大人気医療ドラマ
・「スキャンダル (Scandal)」:政治スリラーで、権力の裏側を描いた作品
・「ブリジャートン家 (Bridgerton)」Netflixで大ヒットした歴史ロマンスドラマ
あらすじ
ホワイトハウスで開催された華やかな晩餐会。その舞台裏で起きた不可解な殺人事件の解決に挑むのは、世界一優秀で風変わりな名探偵、コーデリア・カップ。彼女は探鳥家としての経験から培った鋭い観察力と洞察力を駆使し、次々と浮かび上がる謎や秘密に立ち向かいます。それぞれ異なる背景や個性を持つキャラクターたちが織りなすドラマの中で、彼女は事件の真相に迫ります。果たして彼女は、この衝撃的な事件を解き明かすことができるのでしょうか?
『ザ・レジデンス』登場人物とキャスト
- コーデリア・カップ(ウゾ・アドゥーバ)
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探偵 MPD(ワシントンDC首都警察)ドークス署長の要請を受け顧問探偵として事件の真相解明に乗り出す。
- エドウィン・パーク(ランドール・パーク)
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FBI特別捜査官 コーデリアの相棒的存在として共に捜査に挑む。
- A・B・ウィンター(ジャンカルロ・エスポジート)
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チーフアッシャー 晩餐会で死体となって発見される。
- ジャスミン・ヘイニー(スーザン・ケレチ・ワトソン)
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アシスタントアッシャー → チーフアッシャー
A・B・ウィンターの引退撤回によりチーフアッシャーへの昇格が白紙となっていた。しかし彼の死を受け、その跡を継ぐ形で正式にチーフアッシャーに任命される。 - リリー・シューマーカー(モリー・グリッグス)
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ソーシャル・セクレタリー
- ロリー・ブリッジウォーター(アル・ミッチェル)
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執事
- シーラ・キャノン(エドウィナ・フィンドリー・ディッカーソン)
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執事
- ペリー・モーガン(ポール・フィッツジェラルド)
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アメリカ合衆国大統領
- ハリー・ホリンジャー(ケン・マリーノ)
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大統領側近
- エリオット・モーガン(バーレット・フォア)
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大統領の夫
- トリップ・モーガン(ジェイソン・リー)
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大統領の弟
- ナン・コックス(ジェーン・カーティン)
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エリオットの母 死体の第一発見者。
- コリン・トラスク(ダン・ペロー)
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警護官
- アーロン・フィルキンズ(アル・フランケン)
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上院議員 公聴会では委員長を務める。
- マージェリー・ベイ・ビックス(エリザ・クーペ)
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上院議員
- ラリー・ドークス(イザイア・ウィットロック・Jr)
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ワシントンDC首都警察(MPD)署長
- ルース首相(ジュリアン・マクマホン)
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オーストラリア首相
- デイヴィッド・ライランス(ブレット・タッカー)
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オーストラリア外相
- マーヴェラ(メアリー・ワイズマン)
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シェフ
- ディディエ・ゴダード(ブロンソン・ピンチョット)
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パティシエ
- エルジー(ジュリエス・レストレポ)
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ハウスキーパー
- ブルース(メル・ロドリゲス)
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技師
- カイリー・ミノーグ
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カイリー・ミノーグ本人
『ザ・レジデンス』第1話ストーリー ネタバレなし
・犯人やトリックに関するネタバレは一切含まれていません。
・ただし、第一話のストーリー展開について記載しています。未視聴の方はご了承の上お読みください。
10月11日の夜、ホワイトハウスでは華やかな晩餐会が催されていた。
だが、その最中に悲劇が訪れる。ホワイトハウスのチーフアッシャー、A・B・ウィンター(以下ウィンター)が死体となって発見されたのだ。
事件の管轄を担うワシントンD.C.首都警察(MPD)署長ドークスは、名探偵コーデリア・カップを顧問として招き、捜査への協力を求める。そして彼女が現場に姿を見せる――。
コーデリアは、事件現場であるホワイトハウス4階のゲームルームに足を踏み入れる。ビリヤード台が窓から差す月明りに照らされる中、死体はまだその場に横たわっていた。大統領側近であるハリー・ホリンジャーやFBI捜査官たちの鋭い視線を受けながら、彼女は冷静に状況を観察し始める。次に向かったのは、第一発見者である大統領の義母、ナンの元だった。
その日、社交嫌いのナンは晩餐会には顔を出さなかった。
事件当時、一人で映画を観ながら頼んだウォッカが届くのを待っていると、隣のゲームルームから何かが倒れるような大きな音が耳に飛び込んできた。気になって自室のドアを開けると、隣で扉が閉まるような音がかすかに聞こえた。不審に思いながらゲームルームを覗きに行くと、ウィンターが倒れていたのだった。
ナンから話を聞いたコーデリアは、4階の他の部屋を慎重に調べた後、再びゲームルームへと戻った。ウィンターの遺体をくまなく調べると、手首の傷や血の付いたシャツ、ポケットに入った鍵、そして遺書らしきメモを見つける。
側近たちは事件を自殺として片付けようとするが、コーデリアは冷静に指摘する。「ナイフがない」と。
さらに、手首の傷の角度が不自然で出血量が少ないこと、顔にある切り傷、後頭部の大きな外傷、そして口腔の炎症から毒殺の可能性をも示唆する。
コーデリアは、更なる手掛かりを求めてFBI捜査官のエドウィンと、ウィンターの後を継ぎ新たにチーフアッシャーとなったジャスミンとともに晩餐会の会場へ向かった。
そこでは、ソーシャル・セクレタリーのリリーがウィンターを探し回っている姿があった。
一方、ゲストとして招かれたカイリー・ミノーグがステージで歌声を響かせ、招待客たちはそのパフォーマンスに酔いしれている。上階で発生した事件のことなど、誰も知る由もないようだった。
コーデリア一行は会場を後にし、地下や図書室、厨房を丹念に見回った後、ウィンターのオフィスへと向かった。
オフィスの扉を開けると、大統領側近のハリー・ホリンジャーが机の引き出しや書類棚を慌ただしく探り回していた。「政治的機密文書があるとマズいと思ってね。」と、軽い調子ながらも焦りを隠せない様子で弁解するハリー。
コーデリアは冷静に彼を部屋から追い出し、その後、部屋を隅々まで調査した。すると、ゴミ箱の中に血の付いたハンカチを見つける。
コーデリアは、ウィンターと接触したすべての人物から証言を得るため、ホワイトハウスを一時的に閉鎖することを提案した。しかし、事件を外部に知られることを何よりも恐れる側近たちは、この案に強く反対する。
代わりに、ゲストをホワイトハウス内に留め続けるための策として、カイリー・ミノーグのステージを延長し、招待客の興味を引き付け続けることを画策する。
しかし、側近たちの思惑とは裏腹に、上階で事件が起きたという噂は瞬く間に広がり、晩餐会場は混乱の渦に包まれていた。騒然とした空気の中、コーデリアはこの場を鎮めるには大統領自身の言葉が必要だと判断し、直接彼に招待客の引き留めを要請する。
しかし、大統領は「これは自殺の可能性が高い」と答え、コーデリアの要請を却下した。
そこに晩餐会のゲストとして招かれていたオーストラリアのルース首相が騒動を聞きつけ、外相と大使を伴って現れた。大統領はルース首相に対し、事件の詳細を慎重に説明していた。
その間コーデリアは、双眼鏡を手に取り、オーストラリア外相デイヴィッド・ライランスの姿をじっと見つめていた。不審に思ったデイヴィッドが「何をしているんだ」と低い声で尋ねると、コーデリアは双眼鏡を下ろし答えた。
「あなたが着ているウィンター氏のシャツを見ているのよ。彼があなたのシャツを着て、彼が着ていたシャツ、それを今あなたが着ている。」
その場にいた全員が一瞬息を呑み、沈黙が場を支配した。そして次の瞬間、大統領は決断を下した。「建物を封鎖しろ、今すぐに!」と、鋭い声で号令をかけた。
第1話から一気に引き込まれる展開ですね!デイヴィッドがウィンター氏のシャツを着ていた理由や、事件の全貌がどう繋がっていくのか、気になる伏線が巧みに張り巡らされています。さらに、コーデリアの鋭い洞察力がどのようにこの謎を解き明かしていくのか、まさに物語の核心を突く部分だと思います。
次のエピソードでは新たな手がかりや驚きの真実が明かされるのか、それとも事件はさらに複雑化していくのか…皆さんの目でぜひ確認してみてください!
『ザ・レジデンス』見どころと感想
コーデリアの並外れた観察力と散りばめられた伏線
彼女は探鳥家としての豊富な経験を活かし、並外れた観察力と洞察力で難事件を次々と解決します。野鳥観察で鍛えられた目は、些細な手がかりすら見逃しません。テーブルに付いた水滴、窓際に置かれたグラス、傾いた包丁といった何気ない物から、人物の微細な仕草まで、すべてが彼女にとっては重要な観察対象です。
しかし、コーデリアの魅力は観察力だけではありません。それらの情報を瞬く間に分析し、鋭い洞察で物語の核心へと迫っていきます。
第1話から伏線が多く張り巡らされていて、気になったところにはヒントが隠されています。違和感を感じたところがあったらぜひチェックして観てみてください!
分かりやすさが魅力の本格ミステリー
本作の舞台はホワイトハウス。広大な建物内で複雑に絡み合う登場人物たちの人間関係が緻密に描かれていますが、その描写は非常に分かりやすく、途中で迷子になる心配はありません。
また、時系列の切り替えも見どころのひとつです。ウィンターの生前(事件直前や数日前)、事件発生後、さらには事件から数か月後の公聴会という3つの時間軸が巧みに交錯しながら進む物語。視覚的にも場面が明確でどの時間軸なのか、ひと目でスっと理解できるようになっています。
さらに、謎解きも奥深く練り上げられていますが、その構造は驚くほど理解しやすい作りになっているため、難解なストーリーが苦手な方でも存分に楽しめます。複雑でありながら親しみやすい、知的エンターテインメントを存分に味わえる作品です。
もっと一緒に謎解きをする感覚が欲しかった
本作でコーデリアの相棒として登場するのは、FBI捜査官のエドウィン・パーク。空回りが目立つ彼ですが、その役割は非常に重要です。彼の質問を通して、コーデリアの鋭い観察と洞察が視聴者に分かりやすく伝わる仕掛けになっています。なぜ彼女がある人物を怪しいと感じているのか、どのような理由で行動を選んだのか。エドウィンの問いかけをきっかけにして、「だからあの人にああ言ったのか」「今こうして調べているのはこのためだったのか」と視聴者が納得できる構造です。
ただし、このコンビの潜在能力が活かしきれていない部分がある点も否めません。物語の多くの場面で、謎がコーデリアの頭の中だけで進行し、トリックを暴く瞬間になって初めて視聴者にそれが明かされるという展開が多くあります。もう少しコーデリアの推理過程を視覚的かつ物語的に共有する構造があれば、さらにコンビの相性とストーリーの魅力が際立ったかもしれません。
コーデリアの探鳥家というユニークな設定は、物語の大きな特徴のひとつです。しかし実際には、双眼鏡で野鳥を観察するシーンや彼女が鳥の名前を語る場面が描かれるだけで、それが事件の謎解きに直接結びついている描写は見られませんでした。このため、視聴者としては「何を見せられていたのか」と感じてしまうことがありました。
例えば、探鳥家としてのスキルが活かされ、野鳥観察が事件解決の鍵となるような展開が描かれていれば、彼女のキャラクター性がもっと鮮明になり、物語への没入感も高まったでしょう。双眼鏡や鳥の知識が、重要な手がかりの発見や推理の核となる形で活用されていれば、設定が物語の中でより有機的に活きたはずです。
本作はすでに複雑な人物関係や事件構造を分かりやすく描写している点で魅力的ですが、こうしたキャラクターの背景や設定をもっと物語とリンクさせることで、さらに深みのある作品になったかもしれません。
まとめ
全体的によくできたミステリー作品でした。少し惜しいなと感じる部分もありましたが、それを補うほど登場人物たちの掛け合いが魅力的で、ユーモアに溢れています。難解なストーリーが苦手な方でも安心して楽しめる、軽やかで親しみやすい作品に仕上がっています。
ミステリーの緊張感と登場人物のやりとりに生まれる楽しさが巧みに織り交ぜられており、心地よいバランスを感じさせます。この作品はそのユニークな雰囲気を通じて、多くの人に愛されるシリーズになると思います。
リミテッドシリーズではないので、シーズン2での展開にも期待が高まりますね。今後どのように物語が進化していくのか楽しみです!
最後までお読みいただきありがとうございました!


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