【ネタバレ注意】
このレビューには『The Last of Us|ラストオブアス』シーズン2第7話「集結」のネタバレが含まれています。未視聴の方はご注意ください。
ラストオブアスシーズン2第7話「集結」あらすじ
前回までのおさらい
ジョエルを殺したアビーへの復讐を果たすため、エリーはディーナとともにシアトルへ。アビーの居場所を知ると思われるノラがいる病院へ向かう途中、ふたりは窮地に陥るが、ジェシーの助けにより脱出。WLF兵から逃れるため公園に立ち寄るも、そこでスカーに発見され、エリーはひとり病院へとたどり着く。やっとの思いでノラを追い詰めたエリーは、アビーの居場所を聞き出そうとする。
あらすじ
劇場跡の建物で、ジェシーは足に矢を受けたディーナの手当てをしていた。そこへエリーが戻り、病院で起きた出来事をディーナに話す。ノラを追い詰めたものの、「クジラ」と「観覧車」という言葉しか言わなかったことを告げる。そして、ジャクソンで暮らす前にソルトレイクの病院で何が起きたのかを打ち明ける。
シアトル3日目。
負傷したディーナを劇場跡に残し、エリーはジェシーとともにトミーとの合流地点を目指す。しかし、雨宿りのために入った建物で、スカーを追ってきたWLF兵に遭遇。物陰に隠れるが、エリーはスカーを助けようとし、ジェシーに制止される。
その後、トミーの合流地点へ到着するも、姿は見当たらない。WLFの無線を傍受し、トミーが近くにいることを知ったエリーは、屋上へ向かい、遠くに観覧車とクジラの絵が描かれた「シアトル水族館」を見つける。
トミーを救いたいジェシーと、復讐に向かいたいエリーの意見が対立し、口論に。ジェシーはひとりトミーのもとへ向かい、エリーは嵐の中ボートで水族館へ向かう。しかし巨大な波に襲われ、流れ着いた島でスカーに捕まり、処刑されそうになる。ところが、スカーの村がWLFの襲撃を受けたことで混乱が生じ、エリーは処刑を免れ、再び水族館へ向かう。
水族館にたどり着いたエリーは、アビーの仲間であるオーウェンとメルを発見。銃を向けてアビーの居場所を問い詰めるが、オーウェンが地図を取ると見せかけて銃に手を伸ばす。エリーが反射的に発砲し、オーウェンの喉元を撃ち抜く。その銃弾はメルにもかすめ、彼女は倒れ込む。妊娠していたメルは、おなかの中の赤ちゃんを取り出してとエリーに言い残し、息絶える。
呆然と座り込むエリーのもとへ、トミーとジェシーが駆けつけ、彼女を劇場跡へ連れ戻す。そこで翌朝の計画を立てるが、その直後、激しい物音が響く。エリーとディーナが扉を開けた瞬間、銃声が鳴り響き、ジェシーが顔面に銃弾を受け倒れる。そこには倒れたトミーに銃を向けるアビーの姿が。エリーは両手を上げ、アビーの前に姿を現す。アビーは「見逃してやったのに」と言いながら銃を向ける。次の瞬間、画面が暗転し、銃声だけが響き渡る――。
――休憩を取っていたアビーは、アイザックに呼ばれる。外の様子を眺めながら、アイザックのもとへ向かおうとする。それは、エリーとディーナがシアトルに到着した1日目の出来事であった。
ラストオブアスシーズン2第7話「集結」感想
いよいよ迎えたシーズン2最終話。第2話ほどではないにしても、衝撃の展開で心臓がバクバクでした!緊張感が高まりっぱなしで、画面に釘付けになっていました。
ジェシーの退場は本当に残念…。とはいえ、死亡フラグがビンビンに立っていたので、「このエピソードで消えるんじゃないか…?」という予感はあった。でも、いざその瞬間が来ると、「やっぱりか…」と思いつつも、想像以上にショックが大きかったですよね。予感していたとしても、あの展開はキツい。特に彼の最後があまりにも突然で、「え?もう?」と思う間もなく退場してしまったのが余計に辛さを増しました。まるで「いかにも死ぬキャラ」の教科書的な流れをたどっていたけれど、やっぱり悲しいものは悲しい。
メルの死もやるせない気持ちになりました。エリーはジョエルの復讐のためにやってきたのですが、ジョエルを殺したアビーの仲間であるメルから、アビーの居場所を聞き出そうとしただけなのに、結果として彼女を殺してしまうことに。しかも何の罪もないお腹の赤ちゃんまで…。この瞬間、エリーは自分がやっていることの意味に気付いたのかもしれません。
メルの死は、エリーにとっても観ている側にとっても、ただの復讐劇ではないことを突きつける重要な瞬間だったと思います。彼女はあくまでアビーの居場所を聞き出そうとしただけなのに、結果として関係のない命まで奪ってしまい、特にお腹の赤ちゃんの存在がその悲惨さを際立たせていました。復讐に突き進む中で、それが単なる正義ではなく、むしろ自分自身を蝕んでいく行為だと気付かされたように感じます。感情に突き動かされるままに進んできたものの、この瞬間を境に、エリーの内面で何かが崩れ始めたような気がしました。
そしてそれを見ている側に痛烈に気付かせるベラ・ラムジーの演技は本当にすごい!彼女は感情の細かいニュアンスを絶妙に表現していて、視聴者の心を揺さぶるレベルの演技を見せてくれました。特にこのシーンでは、エリーの心が揺らぐ瞬間を、言葉ではなく表情や仕草だけで伝えていて、その演技力の高さに圧倒されました。
復讐によって関係のない命まで奪われていく。
エリーにとってはジェシー。ジョエルの復讐に行かなかったら、ジェシーが死ぬことはなかった。
アビーにとってはノラ、オーウェン、メル。彼女がジョエルを殺さなかったら、仲間たちやメルのお腹の中の赤ちゃんが死ぬことはなかった。
お互いの視点で物語を追えるのがすごくよくできているなと思います。ただの「敵 vs 味方」ではなく、どちらの側にも正当な理由があり、どちらも大切なものを失っていく構造が見事に描かれていました。復讐の連鎖がどこまでも続いてしまう恐ろしさと、その中で自分をどう保つのかというテーマが、リアルに突きつけられるエピソードでしたね。
最後はまるでクリフハンガーのような終わり方で、続きが気になって仕方がありません。しかし、シーズン3はアビーの視点で物語が描かれるとのことなので、まだまだ時間がかかりそうですね。首を長くして待ちながら、どんな展開になるのか想像を膨らませたいと思います。
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