2025年9月25日、Netflixで配信が始まったドラマ『ハウス・オブ・ギネス』。
19世紀アイルランドを舞台に、ギネス家の権力と家族の葛藤を描く重厚な物語です。
この記事では、作品の基本情報やあらすじ、見どころ、登場人物・キャストを整理しながら、
第1話の展開に沿って、ユニオニストやフェニアン、宗教・政治の背景など、
視聴者がつまずきやすい歴史的要素をわかりやすく解説しています。
まだ観ていない方も、すでに第1話を観て「難しい」と感じた方も、
この記事を読むことで『ハウス・オブ・ギネス』の世界をより深く、より楽しく味わえるはずです。
※ネタバレなしで安心してお読みいただけます。
📌 この記事を読むとわかること
- 『ハウス・オブ・ギネス』がどんなドラマなのか
- 物語の見どころと作品の評価
- 第1話を理解するための歴史的背景や用語の解説
🔍 この記事はこんな方におすすめです
- 次に観る海外ドラマを探している方
- 視聴前に登場人物や見どころを整理しておきたい方
- 第1話を観たけれど、歴史や宗教・政治の背景が難しく感じた方
『ハウス・オブ・ギネス』ってどんなドラマ?
🍺 『ハウス・オブ・ギネス』とは?
『ハウス・オブ・ギネス』は、2025年9月にNetflixで配信が開始された歴史ドラマシリーズ。
手掛けたのは『ピーキー・ブラインダーズ』で知られるスティーブン・ナイト。
彼の作品らしく、家族・権力・暴力・政治が複雑に絡み合う重厚な物語が展開されます。
舞台は1868年のアイルランド・ダブリン。
世界的なビールブランド「ギネス」の創業家をモデルに、
実在の人物をベースにしたフィクションとして、ギネス家の4人の子供たちが父の死をきっかけに、
遺産と権力を巡って時に激しく対立し、時に絆を確かめ合いながら、それぞれの思惑と信念をぶつけ合う姿が描かれます。
物語の背景には、当時のアイルランドにおける宗教対立(プロテスタントとカトリック)、
政治的分断(ユニオニストとフェニアン)、そしてイギリス支配下の社会構造が色濃く反映されており、
単なる家族ドラマではなく、国家と個人、秩序と抵抗が交差する構造的な作品となっています。
🎬 日本語字幕付きの予告編は、Netflixアプリや公式サイトでご覧いただけます:
🎬 『ハウス・オブ・ギネス』作品情報
原題: | House of Guinness |
---|---|
ジャンル: | 歴史ドラマ/家族/政治 |
製作: | スティーブン・ナイト (『ピーキー・ブラインダーズ』) |
配信プラットフォーム: | Netflix |
配信開始日: | 2025年9月25日 |
エピソード数: | 全8話(シーズン1) |
日本語吹き替え: | あり |
📖 『ハウス・オブ・ギネス』あらすじ
1868年、アイルランド・ダブリン。
世界的なビールブランド「ギネス」を築いたベンジャミン・ギネス卿が亡くなり、
その遺産と事業の継承をめぐって、4人の子どもたち――アーサー、エドワード、アン、ベン――の運命が大きく揺れ動きます。
父の遺言は、兄弟姉妹の関係に亀裂を生むだけでなく、
当時のアイルランド社会に根深く存在していた宗教対立や政治的分断、
そしてイギリス支配下の社会構造とも密接に絡み合い、
ギネス家の内紛はやがて街全体を巻き込む波紋へと広がっていきます。
物語は、家族の絆と裏切り、個人の信念と国家の運命が交差する中で、
それぞれの登場人物が「何を守り、何を捨てるのか」を選び取っていく過程を描いています。
『ハウス・オブ・ギネス』見どころ
🎩 ダブリンとニューヨークを舞台にした壮大なスケール
19世紀後半、ヴィクトリア朝の空気を纏ったダブリンと、移民の希望と混沌が渦巻くニューヨーク。
この二つの都市が、ギネス家の運命とアイルランド社会の変化を象徴する舞台として描かれます。
宗教・政治・階級が交差する歴史的背景が、物語に重厚な奥行きを与えています。
当時の都市風景や建築、階級社会の空気感が緻密に再現されているのもぜひ注目したいポイントです。
🏛 ギネス家の兄弟たちが織り成す遺産と権力を巡る人間ドラマ
父ベンジャミン・ギネスの死をきっかけに、兄弟姉妹たちは遺産と権力の継承をめぐって揺れ動きます。
遺言の内容は、それぞれの人生に異なる影響を及ぼし、 ある者は運命に縛られ、ある者は失望の中で新たな目的を見出します。
兄弟たちはやがて周囲の人々や社会構造を巻き込みながら、 時に激しく衝突し、時に絆を確かめ合いながら、 それぞれの信念、欲望、そして家族への想いを交錯させていきます。
この人間ドラマは、単なる家族の物語にとどまらず、 アイルランド社会の宗教・政治・階級の分断とも呼応しながら、 “家族という最小単位の政治”が、やがて都市全体を揺るがす構造へと展開していくのです。
🎻 アイルランドの風を運ぶ音楽
劇中で使用されている音楽も、見逃せない魅力のひとつです。
BGMを手掛けているのは、ゲーム『Ghost of Tsushima』などでも知られるイギリスの作曲家、イラン・エシュケリ(Ilan Eshkeri)。
本作では、伝統的なアイルランドのフォークミュージックと現代的なサウンドを融合させ、
ジャンルの垣根を越えたユニークな音楽が、物語の情感と空気感を豊かに彩っています。
また、オリジナルのBGMだけでなく、アイルランドにゆかりのある多彩なアーティストによる既存の楽曲も劇中で使用されています。
たとえば第1話では、大聖堂へと向かう葬列と、それを阻むフェニアン団との乱闘シーンに、北アイルランド出身のヒップホップトリオ・Kneecapによる「Get Your Brits Out」が流れます。
歴史ドラマとヒップホップという異色の組み合わせながら、場面の緊張感と絶妙にマッチしていて、テンションを上げてくれるような印象的な演出となっています。
『ハウス・オブ・ギネス』登場人物とキャスト
ギネス家
- アーサー・ギネス(演:アンソニー・ボイル)
ギネス家の第2子で長男。イートン校で教育を受け、20代の大半をロンドンで過ごした経歴を持ち、その影響から、上流階級らしい英国訛りのある話し方をする。父ベンジャミン・ギネスの死後、その議席を継ぐ形で庶民院議員への出馬を目指す。 - エドワード・ギネス(演:ルイス・パートリッジ)
ギネス家の第4子で三男。10代の頃から家業に携わり、醸造所の仕事を一から学んできた。長兄アーサーとは対照的に、エドワードは醸造所という現場にこそ居場所を見出しており、その実務感覚と現場への理解が、物語の中で重要な役割を果たしていく。 - アン・プランケット(演:エミリー・フェアン)
ギネス家の第1子で長女。11歳年上の下級貴族ウィリアム・プランケットに嫁ぐ。飢饉に苦しむ村を訪れた際のある出会いをきっかけに、慈善活動に目覚めていく。 - ベンジャミン・ギネス(演:フィオン・オシェイ)
ギネス家の第3子で次男。幼い頃から家業に関心を示さなかったため、父や兄弟たちから早々に見放され、家族内では“厄介者”として扱われてきた。現在ではギャンブル依存や薬物問題を抱えており、家族の中でも孤立した存在となっている。
ギネス家を取り囲む人々
- ショーン・ラファティ(演:ジェームズ・ノートン)
ギネスビール醸造所の現場監督。職人たちを束ねる統率力と、現場での信頼を集める実務家である一方、裏ではギネス家とその評判を守るためさまざまな任務をこなす。 - ジョン・ポッター(演:マイケル・マケルハットン)
ギネス家の執事。 - オリヴィア・ヘッジズ(演:ダニエル・キャリガン)
アーサーの妻となる女性。 - バイロン・ヘッジズ(演:ジャック・グリーソン)
ギネス家の血縁である母とフェニアンの父を持ち、ギネス兄弟の従兄弟としてエドワードの前に現れる。 エドワードに協力を申し出、ギネスビールをアメリカに広めるべくニューヨークへと渡る。 - アグネス・ギネス(演:デヴラ・カーワン)
ギネス兄弟の叔母。結婚の仲介人として裏で暗躍する。 - アデレード・ギネス(演:アン・スケリー)
ギネス兄弟の従妹。 - ウィリアム・プランケット(演:ティム・クリード)
アンの夫。
フェニアン
- エレン・コクラン(演:ニアム・マコーマック)
パトリックの妹。衝動的な兄パトリックとは対照的に常に冷静で戦略家。ベンジャミン・ギネス卿の死を好機とし、ギネス家兄弟たちの秘密を暴きその地位を脅かそうと画策する。 - パトリック・コクラン(演:シェイマス・オハラ)
エレンの兄。アイルランド共和主義への強い信念を持ち、群衆を鼓舞し、時には衝突へと導くフェニアン団のリーダー的人物。
その他
- クリスティン・オマッデン(演:ジェシカ・レイノルズ)
アイルランド貴族の娘。ギネス家次男のベンジャミンを気にかけている。 - ヘンリー・グラットン(演:マイケル・コルガン)
ギネス兄弟の叔父で牧師。ベンジャミン・ギネス卿の慈善活動による報酬としてその遺産の相続を企む。 - ボニー・チャンピオン(演:デヴィッド・ウィルモット)
ダブリン港でギネス樽の流通を取り仕切る、冷徹かつ頭の切れる裏社会の実力者。表向きは物流の管理者として振る舞いながらも、裏では売春・ギャンブル・薬物といったダブリンの地下経済にも深く関与している。 - スルタン(演:ヒルダ・フェイ)
クルーンブー村に住む女性。
『ハウス・オブ・ギネス』ストーリー解説
第1話冒頭5分を理解すれば『ハウス・オブ・ギネス』がもっと面白くなる!
『ハウス・オブ・ギネス』第1話を観て、「なぜ葬儀の場で暴動のようなデモが起こるのか?」「アイルランドとイギリスの関係がどうしてこんなに緊迫しているのか?」と戸惑った方も多いのではないでしょうか。
フェニアン団という聞き慣れない組織名や、宗教と政治の複雑な関係性など、物語の背景には前提知識が必要とされる要素がいくつもあります。
しかし、劇中ではそれらの詳細な説明はほとんど語られません。
かくいう私も、世界史には疎く、最初は話の筋を追うことができず、ただ作品の雰囲気だけを楽しんでいました。
でもご安心ください。
このセクションでは、第1話冒頭5分間の描写を手がかりに、物語を理解するうえで欠かせない背景知識をわかりやすく解説していきます。
つまり、最初の5分さえ理解できれば、物語全体の理解度がグッと深まるということなんです!
【注意】
本作は史実をもとに描かれていますが、あくまでフィクションです。
この解説では史実を交えて背景を説明していますが、ドラマの設定とは異なる可能性があります。
また、筆者自身の解釈を含んでいる点にもご留意ください。
1868年5月27日、アイルランド・ダブリン。
物語は、ベンジャミン・ギネス卿の葬儀から幕を開けます。
その名を冠したギネス社を率いた彼は、いったいどのような人物だったのでしょうか。
- 生没年:1798年11月1日生〜1868年5月19日没
- 家系:ギネス創業者アーサー・ギネスの孫
- 職業:醸造家・政治家・慈善家
- ギネス事業の拡大者:1839年から醸造所を単独で運営し、輸出拡大によりアイルランド屈指の富豪に
- ダブリン市長:1851年、改革後の市政府で初代ダブリン市長に選出
- 爵位:1867年に準男爵に叙される
- 慈善活動:聖パトリック大聖堂の修復に私財15万ポンド以上を投じる
そんな偉大な功績を残したベンジャミン・ギネス卿ですが、
セント・ジェームズ・ゲート──ギネス醸造所の象徴とも言える大きな門の前では、彼の死をめぐって抗議のデモが起こっています。
群衆の前で演説をする男は、ベンジャミン・ギネス卿を「罪と道楽の醸造者」と呼び、
その遺体が門を通ることは許されないと声高に訴えます。
ベンジャミン・ギネス卿は、ギネス社をアイルランド最大の醸造所へと成長させた実業家であり、慈善家としても知られています。
聖パトリック大聖堂の修復に私財を投じるなど、都市の文化的・宗教的インフラに貢献した一方で、
彼は保守党の庶民院議員としてイギリス寄りの政治姿勢を貫き、アイルランドの独立を求める人々からは“支配階級の象徴”と見なされていました。
そのため、彼の死に際してセント・ジェームズ・ゲート前で起こった抗議のデモは、
単なる個人への反発ではなく、ギネス社=植民地支配の象徴という構図に対する抵抗でもあります。
演説者が彼を「罪と道楽の醸造者」と呼ぶのは、ギネスビールが庶民の生活に浸透する一方で、
酒・娯楽・労働搾取といった社会問題の温床と見なされていたことを示しています。
群衆の前で演説をしていた人物は、「たとえ我々が遺体の行く手を阻めなくとも、フェニアン団がいる」と語ります。
その言葉には、ギネス家に対する市民の怒りだけでなく、アイルランド独立を掲げる急進派の存在が背後にあることを示唆しています。
フェニアン団(Fenian Brotherhood)は、19世紀半ばにアメリカで結成されたアイルランド系移民による秘密結社であり、アイルランドの独立と共和国樹立を目指す急進的な共和主義組織です。
彼らはイギリスによる支配を武力で打破することを信条とし、アイルランド本国だけでなく、カナダなどイギリス領への襲撃も行いました。
フェニアン団の思想は、アイルランドが独立の「自然権」を持つという信念に基づいており、 その権利は武装革命によってのみ達成されるべきだと考えられていました。
この過激な姿勢は、当時のイギリス政府にとって大きな脅威であり、 物語の中でもギネス家の権威に対抗する象徴として描かれています。
前述の通り、フェニアン団はアイルランドの独立を目指す急進的な組織であり、
「アイルランドにおける英国支配を潰せ」という標語を掲げる場面も登場します。
現在では、アイルランドとイギリスはそれぞれ独立した国家として存在していますが、
1868年当時の両国の関係は、まったく異なるものでした。
1868年当時、アイルランドはイギリスの一部であり、政治的にも経済的にも強く従属していました。独立国家ではなく、イギリス王国の支配下に置かれた“連合王国”の一部でした。
- 政治的統合
1801年の「連合法(Act of Union)」により、アイルランド王国はイギリス王国と統合され、「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」が成立しました。
これにより、アイルランドの議会は廃止され、政治の中心はロンドンのウェストミンスターに移されました。
ダブリンのとある場所では、フェニアン団のリーダー格であり、後に物語の核心にも関わってくるパトリック・コクランが、群衆の前で演説を行っています。
彼は「裕福なユニオニストの葬列が、ダブリンの朝に堂々と通るのは許されない」と訴えます。
物語の背景にあるアイルランドの政治的対立を理解するには、「ユニオニスト」と「フェニアン」という二つの立場を押さえておく必要があります。
ユニオニスト(Unionist)は、イギリスとの政治的統合を支持する人々を指します。
彼らはイギリス王室や議会制度を尊重し、アイルランドがイギリスの一部として安定と繁栄を享受すべきだと考えています。
ギネス家のような富裕層や保守的な企業家は、この立場に属することが多く、
その象徴としてベンジャミン・ギネス卿の葬列が“ユニオニストの権威”として描かれます。
一方、フェニアン(Fenian)は、アイルランドの独立と共和国化を目指す急進的な共和主義者です。
武力による革命をも辞さない姿勢を持ち、イギリス支配に対する強い反発を抱いています。
フェニアン団はその象徴的存在であり、物語ではパトリック・コクランのような人物がその思想を体現しています。
この二つの立場の衝突が、ギネス家の物語に深い政治的陰影を落とし、
単なる家族ドラマを超えた社会的対立の構図を浮かび上がらせます。
パトリックは演説の中で「プロテスタントの連中が作り上げた機械によって、英国人がアイルランド人を苦しめている」と続けます。
この言葉には、宗教・政治・階級が複雑に絡み合った当時の構造がにじみ出ています。
では、プロテスタントとカトリックという宗教の違いは、アイルランドとイギリス、そしてユニオニストとフェニアンの対立に、どのような繋がりを持っていたのでしょうか。
19世紀のアイルランドでは、宗教は単なる信仰ではなく、政治的立場や社会的階級を示す記号として機能していました。
プロテスタントは、イギリス国教会(アングリカン)を中心とした宗教であり、
地主や商人、政治家などの富裕層が多く属していました。彼らはイギリスとの統合を支持するユニオニストとして振る舞い、
アイルランドを“安定したイギリスの一部”として維持することを望んでいました。
一方、カトリックはアイルランドの多数派でありながら、長らく政治的・経済的に差別されてきた背景を持ちます。
公職への就任や土地所有が制限され、社会的に抑圧された彼らは、イギリス支配に対する反発を強め、
独立と共和国化を目指す急進派──フェニアン団の思想的基盤となっていきました。
このように、宗教の違いは単なる信仰の差ではなく、アイルランドとイギリスの国家的対立、ユニオニストとフェニアンの政治的分断に直結していたのです。
物語の中でパトリックが語る「プロテスタントの機械によって英国人がアイルランド人を苦しめている」という言葉は、まさにこの構造的な抑圧を象徴しています。
- ベンジャミン・ギネス卿:ギネス社を拡大した実業家・政治家。イギリス寄りの姿勢で反発も受ける
- 葬儀への抗議:支配階級の象徴として市民が反発。「罪と道楽の醸造者」と非難される
- フェニアン団:アイルランド独立を目指す急進派。武力革命を信条とし、物語の緊張を象徴
- 政治構造:当時のアイルランドはイギリスの一部。議会はロンドンに統合されていた
- ユニオニスト vs フェニアン:統合支持派(富裕層)と独立派(急進派)の対立が物語の軸
- 宗教対立:プロテスタント=支配層、カトリック=抑圧された多数派。政治・階級と直結
いかがでしたでしょうか。ここまでで、物語冒頭の約5分間に込められた歴史的・政治的背景が少しずつ見えてきたはずです。
このあとは、ギネス家の兄弟たちが登場し、それぞれの立場や思惑が交錯する中で、
宗教と政治が複雑に絡み合った重厚なドラマが展開されていきます。
『ハウス・オブ・ギネス』評価と感想
🏅 IMDb / Filmarksの評価
🌍 IMDb
⭐ 7.5 / 10
🇯🇵 Filmarks
⭐ 4.0 / 5.0
※2025年10月時点
🌟 よく見られたポジティブな評価
- 歴史的背景と家族ドラマの融合
→「ギネス家の実話ベースなのが面白い」「史実とフィクションのバランスが絶妙」「家族の葛藤がリアルで引き込まれる」など、実在の一族を題材にした構成に高評価。 - 映像美と演出の緻密さ
→「ヴィクトリア朝の街並みが美しい」「Netflixらしい映像の統一感」「ゴシック調の演出が作品の雰囲気に合っている」など、映像面での完成度を称賛する声が多数。 - キャストの演技力と存在感
→「アンソニー・ボイルの演技が圧巻」「ルイス・パートリッジが意外と良かった」「脇役まで豪華で見応えがある」など、俳優陣への好意的なコメントが目立つ。
🤔 賛否が分かれた・ややネガティブな意見
- 展開の複雑さと情報量の多さ
→「登場人物が多すぎて混乱する」「政治と宗教の背景が難しい」「字幕だけでは理解が追いつかない」など、視聴ハードルの高さを指摘する声も。 - 過激な描写への戸惑い
→「入浴シーンが唐突すぎる」「必要以上に赤裸々」「ゲーム・オブ・スローンズ的な演出が浮いている」など、演出の一部に違和感を覚える意見も見られる。 - 人物描写の濃淡
→「兄弟の中で描写に偏りがある」「アンの描写がもっと欲しかった」「脇役が記号的に感じる」など、キャラクターの掘り下げに課題を感じる声も。
🎯 総合的な印象
- “歴史×家族×社会”を重厚に描いたゴシック調ドラマ
→ ギネス家の栄光と影を通して、19世紀のアイルランド社会の構造や階級、宗教対立を描き出す。映像美と音楽演出が作品の世界観を支えており、歴史ドラマ好きには刺さる内容。 - ピーキー・ブラインダーズの系譜を継ぐ、社会派エンタメ作品
→ 制作総指揮スティーブン・ナイトの手腕が光り、緻密な人間描写と政治的緊張感が融合。今後のシリーズ展開やキャラクターの成長に期待が集まっている。
📝 個人的レビューと評価まとめ
💬 『ハウス・オブ・ギネス』感想
まず圧倒されたのは、映像美と音楽による世界観の構築力です。
19世紀のダブリンが、現代の映像技術によって緻密に再現されており、アイルランドに行ったことも、当時の雰囲気を知っているわけでもないのに、画面越しにその空気を感じ取れるほどでした。
観終わったあと、思わず「アイルランドに行ってみたい」と感じたほどです。
音楽だけでなく、“音”そのものへのこだわりも印象的でした。
鎖を引く音、樽が水面を漂う音、雨でぬかるんだ地面を踏みしめる音──どれもが臨場感を生み出し、物語への没入感を高めてくれます。
こうした細部の演出が、視覚だけでなく聴覚からも作品の世界に引き込んでくれるのは、海外ドラマならではの醍醐味。
もっと良い音響設備で観たら、さらに深く楽しめるだろうなと感じました。
登場人物たちも魅力的で、ギネス家の兄弟を中心に、彼らを取り巻く人々の個性が物語に厚みを与えています。
ジャック・グリーソン(『ゲーム・オブ・スローンズ』)、マイケル・マケルハットン、ジェシカ・レイノルズ(『アウトランダー』)、モー・ダンフォード(『ヴァイキング』)など、実力派キャストが揃っており、演技の説得力も抜群です。
群像劇としての魅力もある一方で、人物によって描写の濃淡に差があるのは少し残念でした。
特にギネス兄弟の次男ベンジャミンは、物語の鍵を握る存在とは言えないかもしれませんが、登場シーンが少なく、彼が軍に入隊した後の描写がほとんどないのは物足りなさを感じました。
彼の視点から見た戦場や葛藤も、ぜひ描いてほしかったです。
そして何より、続きが気になる終わり方でした。
物語の緊張感が高まったところで幕を閉じる構成は、次シーズンへの期待を否応なく高めてくれます。
シーズン2の制作・配信が決定することを、心から願っています。
『ハウス・オブ・ギネス』のよくある質問|FAQ
『ハウス・オブ・ギネス』さいごに
🧭 まとめ|『ハウス・オブ・ギネス』をより深く味わうために
『ハウス・オブ・ギネス』は、ギネス家という実在の一族をベースに、
19世紀アイルランドの宗教・政治・階級の対立を背景に描かれる重厚な歴史ドラマです。
映像美と音楽、緻密な演出によって、視聴者は当時のダブリンの空気に引き込まれ、
家族の葛藤と社会の構造が交差する物語に没入していきます。
第1話の冒頭から、フェニアン団の登場や葬儀の混乱など、
歴史的背景を知らないと戸惑う場面もありますが、
その構造を理解することで、物語の深みと登場人物の動機がより鮮明に見えてきます。
この記事では、作品の基本情報から第1話の背景解説、登場人物の整理、評価・感想までを網羅しました。
これから視聴する方も、すでに観た方も、ぜひこのガイドを参考に、
『ハウス・オブ・ギネス』の世界をより深く、より豊かに味わってみてください。


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