Amazonオリジナル『アレックス・クロス~狙われた刑事~』1話ずつレビュー|シーズン1第7話「誕生日」

【ネタバレ注意】
本レビューは各エピソードごとの内容を詳しく解説しており、当該回のネタバレを含みます。なお、今後のエピソードに関するネタバレは含んでおりませんのでご安心ください。

前回のエピソードはこちら

目次

登場人物とキャスト

新たな登場人物

  • ピーター・レノックス(ライアン・アレン):ディアドレの共犯者

前回からの登場人物

  • アレックス・クロス(オルディス・ホッジ):主人公、ワシントンDC警察の刑事
  • ジョン・サンプソン(イザイア・ムスタファ):アレックスの相棒
  • レジーナ・”ナナ・ママ”・クロス(ファニタ・ジェニングス):アレックスの祖母
  • ケイラ・クレイグ(アロナ・タル):FBI捜査官
  • エル・モンテイロ(サマンサ・ウォークス):アレックスの恋人
  • デイモン・クロス(ケイレブ・エライジャ):アレックスの息子
  • ジャニー・クロス(メロディ・ハード):アレックスの娘
  • アンダーソン警察署長(ジェニファー・ウィグモア):ワシントンDC警察署長
  • シャノン・ウィトマー(エロイーズ・マンフォード):エド・ラムジーに拘束されている女性
  • オラシーン・マッシー(シャロン・テイラー):警部補
  • アミエリン・ヴェガ(メルセデス・デ・ラ・ゼルダ):刑事
  • ショーナ・デ・ラックナー(ステイシー・グリーンウェル):刑事
  • エド・ラムジー(ライアン・エッゴールド):連続殺人犯
  • ボビー・トレイ(ジョニー・レイ・ギル):エド・ラムジーに雇われている元警察官
  • ナンシー(カレン・ロビンソン):デイモンのピアノの先生
  • スーザン・コワレスキー(シャノン・デヴィード):地区検事補
  • マリア・デイン(クリスティン・ブース):エド・ラムジーの知り合いの医師
  • ブレンダ・リーランド(キラン・フリーゼン):アレックスの命を狙っていた女性 元看守
  • ケイトリン・ゴールドマン(マリオン・アドラー):上院議員 エド・ラムジーに弱みを握られている
  • ディアドレ・ノーラン(ジェシカ・クレメント):以前アレックスが関わった事件の犯人
  • マイケル・グリシャム(ディラン・トローブリッジ):“ホワイトマイク”として活動していた人物
  • マリア・クロス(ショーンティー・シューラー・アーヴィング ): アレックスの亡き妻

ストーリー

ラムジーは、自身の拠点でシャノンの処刑に用いる3種類の注射器を準備していた。一つ目は鎮静剤、二つ目は麻酔剤、そして三つ目は心臓停止薬である。

アレックスの家では、停学処分が明けたデイモンが登校の準備をしていた。デイモンはアレックスに、ピアノコンテストの本番で母マリアの腕時計をつけて演奏してもいいか尋ねる。アレックスは、慣れるためにリハーサルから腕時計をつけておくよう助言する。
その後、レジーナが現れ、検事コワレスキーが訪ねてきたことを報告した。彼女はロジャーを問い詰めた結果、ディアドレの共犯者がピーター・レノックスという人物だと分かったことも伝える。そしてちょうどその時、アレックスにヴェガ刑事から電話がかかってくる。

それは、ラムジー逮捕の鍵となる証人、“ホワイトマイク”ことマイケル・グリシャムが何者かに殺害されたという衝撃の知らせだった。アレックスは急ぎ、マイケルが保護されていた隠れ家に向かう。そこで警備の女性から「目撃者もいない。幽霊みたい」と聞いたアレックスは、ラムジーの誕生日パーティで幽霊を見たかのように怯えていたケイトリンの姿を思い出す。アレックスはケイトリンから話を聞くために彼女のもとを訪れる。名前を出さないことを条件に、ケイトリンはラムジーの誕生日パーティで目撃した出来事を語り始めた。彼女の話によると、逃げ場を失ったシャノンは、自らの顔を引き裂いていたのだという。

ジョンはマッシー警部補を訪ねていた。ジョンが「隠れ家や警備計画が外部に漏れていたなんて」と話すと、マッシーは何食わぬ顔で、「ラムジーが誰かを買収したのかもしれない」と答える。
そして、マッシーはジョンに、自分のお腹の子の名付け親になって欲しいと頼む。ジョンは快くその申し出を受け入れる。さらにジョンは、今後の捜査は信頼できる人間のみで進めていくと宣言し、マッシーは何かあれば逐一報告するようにと伝える。

その後、ジョンはチリボウルに信頼できるメンバーを集めて作戦会議を開いた。集まったのはケイラ、ヴェガ、デ・ラックナー、そしてアレックスである。会議の中で、アレックスはケイトリンの名前を伏せながら、彼女から得た情報を共有した。
ジョンはヴェガたちにラムジーを尾行するよう命じる。そして、スパイが署長だったなんてと言うジョンに、アレックスは、自分の動画を流出させた人物こそがスパイであり、それを実行できるのはジョンを除いてただ一人だと言い残し、その場を後にした。

シャノン殺害の準備を進めるラムジーは、手下の男からFBIによってボビーの口座の送金が止められたことを知らされる。ラムジーはその男に、ボビーに直接金を取りに来いと伝えるよう指示を出した。
そして自らの運命を悟ったシャノンは、窓の近くにあった鳥の巣を見上げ、涙を流しながら歌を口ずさむ。

アレックスは、ジョンから渡された被害者たちの資料を机に並べ、手掛かりを探していた。その中で、被害者が殺人鬼たちの誕生日に殺害されていることに気付く。さらに、アイリーン・ウォーノスの誕生日である2月29日の今日がシャノン殺害の実行日であると判断し、急ぎケイラたちに報告した。
その後、ケイラたちとの会話で、シャノンの顔の傷を修復するには美容外科医の力が必要だという話が出る。その言葉から何かを悟ったアレックスは、またすぐにどこかへ向かっていった。

ジョンは再びマッシー警部補の家を訪れた。ジョンの問い掛けによって、自分がスパイであることを気付かれたと察したマッシーは、欲望に負けてラムジーの悪事に手を貸していたことを打ち明ける。
弁解するマッシーをジョンは激しく非難し、「名付け親の話も嘘だったのか」と問い詰める。涙ながらにマッシーは、それは真実であると訴え、ジョンに付き添ってもらい署に出頭する。

アレックスは、ラムジーの誕生日パーティに招かれていたダイン医師を訪ねる。ラムジーの悪事に手を貸している理由を問い詰めると、ダインは声を震わせながら「すべて彼にやらされている」と告白する。アレックスが「奴を止めるために居場所を教えてくれ」と頼むと、ダインは「ありがとう」と言いながら彼の胸に寄りかかった。
しかし次の瞬間、ダインはアレックスの腹部に注射器を刺す。アレックスはその場に崩れ落ちる。ダインは「彼のビジョンを完成させるためなら喜んで手を貸すわ」と言い放ち、もがくアレックスの横を通り過ぎる。その際、アレックスはダインのカバンを掴むが、ダインはそれを振り払い、その場を去っていった。

ラムジーの拠点では、3つの注射器がセットされた機械がチューブを通じてシャノンの身体に繋がれていた。その機械には3つのボタンがあり、それぞれの注射器に対応している。ラムジーが1つ目のボタンを押すと、シャノンの意識は徐々に遠のき、ついには気を失った。「次は麻酔だ」と言いながらラムジーは2つ目のボタンを押す。そして、「最後に死の幕が下りる」と告げ、3つ目のボタンを押した。しばらくしてシャノンは意識を取り戻した。ラムジーに「なぜか薬が効かなかった」と告げられ、安堵の表情を浮かべる。しかし次の瞬間、「これもアイリーンの処刑の再現だ」と聞かされ、シャノンは再び絶望の淵に突き落とされる。その後、ラムジーはフェイスマスクをつけながら低く言い放つ。「今回は成功する」。

ジョンはヴェガとデ・ラックナーからダイン医師の話を聞き、急いで彼女のクリニックへ向かった。そこで彼が目にしたのは、ふらつきながら立ち上がろうとするアレックスの姿だった。ジョンが救急車を呼ぼうとすると、アレックスはダインが立ち去る際に彼女のバッグに自分のスマホを隠したことを明かし、それをアプリで追跡するよう指示した。そしてアレックスとジョン、ヴェガとデ・ラックナー、そしてケイラは、それぞれアプリが示す場所へと急行する。

ラムジーの拠点では、シャノンの最後の瞬間、そして彼が「作品」と称するものの完成を全世界に見せようと、ライブ配信が始まっていた。ダインが建物内に姿を現し、ラムジーのスピーチに耳を傾ける中、注射器がセットされた機械の1つ目のボタンがラムジーによって押された。

その頃、アレックスとジョンはついに建物の外へ到着した。二人は銃を手に突入の準備を整え、気を引き締める。ラムジーは2つ目のボタンを押し、マスクを外して感極まった様子で演説を続け、そして「傑作を作った俺も神々の一人となる。そしてその傑作が今日完成する」と高らかに言葉を放つ。そして、ついに最後のボタンに手を伸ばした。

その瞬間、アレックスとジョンが突入し、銃を構えながら「よせ、手を上げろ」と叫んだ。しかし、ラムジーは素早く最後のボタンを押そうとする。アレックスが即座に発砲し、機械を破壊することに成功した。ダインは目くらましのスプレーを撒き、ラムジーの手下の男と共に逃走を図る。しかし、そこにヴェガとデ・ラックナーが現れ、二人を取り押さえる。一方、ラムジーは奥の部屋へと逃げ込む。ジョンは急いでシャノンの元へ向かい、彼女が生存していることを確認する。その間、アレックスは逃げたラムジーを追跡。途中でケイラと合流し、二人でラムジーを追い詰めようとするが、ラムジーは隠してあった車に乗り込み、逃走してしまう。

アレックスは、ラムジーの行き先はただ一つだと考え、彼の屋敷へ急行した。書斎では、ラムジーが待ち構えていたかのように堂々と座り、その手には注射器を握っていた。「この部屋には真実がありふれている。だからここでやらなくては」と言い放ち、注射器を自身の首元に刺した。
ラムジーが倒れると、アレックスは「死ぬな」と叫びながら必死に心臓マッサージを施す。しかし、ジョンが「もうよせ、奴は死んでいる」と静かに止めた。白いシーツに包まれたラムジーの遺体が屋敷から運び出される。その様子を、遠くからボビーがじっと見つめていた。

ラムジーの死によって事件は幕を下ろしたが、アレックスの表情はどこか沈んだままだった。ケイラはアレックスにピーター・レノックスに関する資料を渡す。それには彼の写真や住所も記載されていた。一方その頃、レジーナはオールブラックスの試合のチケットを手に入れ、観戦の準備を進めていた。彼女は、自分の代わりにデイモンのリハーサルに付き添うようエルに頼んだ。

アレックスはピーター・レノックスの家に向かった。家の中は静まり返っており、誰もいない状態だったが、生活の痕跡が随所に残されていた。地下へ降りると、壁一面に貼られたアレックスたち家族の写真が目に飛び込んできた。その中には「クロスを殺せ」の赤い文字が刻まれており、ディアドレの写真も飾られていた。その場でアレックスは、ピーターが送り主不明の花束をアレックスの自宅に配達した人物であり、警察署前のデモ活動にも参加したりと、度々アレックスの前に姿を現していたことに気付く。さらに、近くにはピーターがディアドレと交わした何通もの手紙が置かれていた。

その頃、ピアノコンテストのリハーサル会場では、エルと妹ジャニーがデイモンの出番を待っていた。司会のナンシーの紹介とともに、デイモンがゆっくりと登場する。その手には母マリアの腕時計が輝いていた。そしてデイモンの演奏が始まる。その演奏を聴く観客の中にはピーターの姿があった。デイモンがピアノの演奏を終えると、ピーターは席を立ち会場を後にする。

ピーターの家で手掛かりを見逃していると感じたアレックスは、ケイラに電話をかけた。ケイラの助言を受けながら、異常なまでの執着心が反映されたピーターの部屋を注意深く観察し、彼の人物像を分析する。「彼は何年もかけて計画を練り上げ、それを成し遂げることで満足する。それが奴の行動パターンなんだ。こういう男は、決して諦めない」とつぶやくアレックス。そう言いながらも突然何かに気付き、表情を変えた。そして、すぐさま家を飛び出していった。

救出されたシャノンが入院する病院では、娘の無事な姿を見て安堵した母ベッキーが寄り添い、静かに彼女を見守っていた。その頃、検視所では、遺体として運ばれたはずのラムジーが静かに息を吹き返していた。彼は医師になりすまし、シャノンの病室へと向かう。病室の前に座る警備員をラムジーは静かに殺害し、部屋の中へと足を踏み入れる。シャノンはラムジーに気付くが、呼吸器を付けられており、言葉を発することができない。目線で助けを求めるシャノンに気付かないベッキーは、ラムジーを医師だと信じ込み、診察を許可してしまう。
ラムジーはカーテンを閉め、手に持った注射器をそっとシャノンに繋がれた管へ近づける。その瞬間、「終わりだ、ラムジー」とアレックスの低い声が響き、ラムジーの後頭部に銃が突きつけられた。

一方、アレックスの家では、試合観戦から帰宅したレジーナが家の中から聞こえる不審な物音に気付いた。レジーナはバットを手に取り警戒を強める。2階から静かに降りてきたのはピーターだった。それに気付いたレジーナがバットを構えた瞬間、ピーターが彼女に襲い掛かった。

感想

今回もまた先が気になる展開で終わってしまいました。レジーナ祖母ちゃんは無事なんでしょうか…無事でいてくれるといいのですが。

前回のラストで、スパイが警部補のマッシーであることが視聴者には判明しましたが、それがアレックスたちにも分かるまでには、もっと色々あって、手掛かりを追っていく中で「まさか彼女が」という展開を期待していました。しかし、あっさりとスパイが判明したので、「へぇ」といった感じでした。アレックスの動画を流出させた人物がスパイだったなら、その動画が流出した誕生日パーティの時点で誰がスパイか分かっていたのではないでしょうか。そうすればホワイトマイクが死ぬこともなかったのでは、と感じます。

また、マッシー自身が欲望に負けてラムジーに手を貸してしまうようになった経緯を語る中で、「誰にも言えない秘密がある」と明かしていました。そのマッシーの心の闇をアレックスが見抜き、マッシーについて調べることでラムジーとのつながりを見出し、最終的にスパイの正体にたどり着く展開を期待していた分、少し物足りなさを感じました。
あと、マッシーが名付け親になると言ったジョンに対して、「約束を守ってちょうだい」って言ったのには、今まで皆を欺いてきてどの口が言ってんだとちょっと突っ込みたくなりました笑

今回、連続殺人事件が幕を下ろし、シャノンを無事に救出できたことは大きな安堵ですが、彼女が運命を悟ったように悲しい表情を浮かべていたシーンは非常に印象的でした。今まで必死に抵抗してきた彼女が見せた心情の変化は、その役柄への深い理解と繊細な演技力によって、視聴者の心に強く訴えかけていましたね。シャノンが口ずさんだ曲の選曲は本当にナイスでしたね。彼女が歌っていたのは、カナダ出身の歌手ネリー・ファータドの代表曲「I’m Like a Bird」です。この曲は彼女のファーストアルバム『Whoa, Nelly!』(邦題:『ネリー・ファータド!』)に収録されており、自由への憧れを歌った印象的な楽曲です。シャノンの拘束され逃げられない絶望的な状況と、この曲が描く「鳥のように自由に羽ばたきたい」という願望の対比が際立っていました。彼女がその曲を口ずさむ姿は、置かれた境遇への苦悩と内なる希望の葛藤を見事に表現していて、心を揺さぶられました。この場面の選曲は物語全体のテーマを象徴するかのようで、非常に印象的でしたね。

さて、次回はいよいよシーズン1最終回です。アレックスたち家族はピーターの魔の手から逃れることはできるんでしょうか。さらに、マリアの殺害事件の真相も明らかになるのでしょうか。今まで隠されてきた謎がどのように紐解かれていくのか、そしてその過程で新たな衝撃が待ち受けているのか、期待が高まります。
それではまた次回のレビューでお会いしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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