【ネタバレ注意】
本レビューは各エピソードごとの内容を詳しく解説しており、当該回のネタバレを含みます。なお、今後のエピソードに関するネタバレは含んでおりませんのでご安心ください。
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登場人物とキャスト
新たな登場人物
- マイケル・グリシャム(ディラン・トローブリッジ):“ホワイトマイク”として活動していた人物
- ロジャー・ソーン(マイケル・ローデス)
前回からの登場人物
- アレックス・クロス(オルディス・ホッジ):主人公、ワシントンDC警察の刑事
- ジョン・サンプソン(イザイア・ムスタファ):アレックスの相棒
- レジーナ・”ナナ・ママ”・クロス(ファニタ・ジェニングス):アレックスの祖母
- ケイラ・クレイグ(アロナ・タル):FBI捜査官
- デイモン・クロス(ケイレブ・エライジャ):アレックスの息子
- ジャニー・クロス(メロディ・ハード):アレックスの娘
- アンダーソン警察署長(ジェニファー・ウィグモア):ワシントンDC警察署長
- シャノン・ウィトマー(エロイーズ・マンフォード):エド・ラムジーに拘束されている女性
- オラシーン・マッシー(シャロン・テイラー):警部補
- アミエリン・ヴェガ(メルセデス・デ・ラ・ゼルダ):刑事
- ショーナ・デ・ラックナー(ステイシー・グリーンウェル):刑事
- エド・ラムジー(ライアン・エッゴールド):連続殺人犯
- ボビー・トレイ(ジョニー・レイ・ギル):エド・ラムジーに雇われている元警察官
- ナンシー(カレン・ロビンソン):デイモンのピアノの先生
- スーザン・コワレスキー(シャノン・デヴィード):地区検事補
- マリア・デイン(クリスティン・ブース):エド・ラムジーの知り合いの医師
- マリア・クロス(ショーンティー・シューラー・アーヴィング ): アレックスの亡き妻
ストーリー
エド・ラムジーの誕生日パーティで失態を犯したアレックスは免職処分を受け、銃とバッジを返却するため警察署へ向かう。男性を殴り銃を突きつけるアレックスの動画が拡散され、警察署の前では警察の暴力に抗議するデモが行われていた。群衆の罵声が飛び交う中、アレックスは毅然とした様子で署内に足を踏み入れる。
銃とバッジの返却を求める署長に対し、アレックスは改めてラムジーが犯人であると強く弁解する。しかし、マッシー警部補は、ラムジー本人が家宅捜索を申し出たこと、さらにその家からシャノンや犯罪の痕跡が見つからなかったことを伝える。それでもなお、ラムジーが犯人だと言い切り、アレックスは銃とバッジを託して部屋を後にする。
署内のロッカーに向かったアレックスの元へジョンが現れる。ジョンは「俺は最後まで奴を追う」と意志を示すが、アレックスは「お前の報告が発端だ」と怒りをぶつけ、二人の間に深い溝が生じる。デ・ラックナー刑事が間に入り、二人の衝突を収めようとする中、アレックスはその場を立ち去る。その後、彼の机には「今も君が一番」というメッセージが添えられた花が飾られていた。アレックスは無言で花瓶を倒し、署を後にする。車へと向かうと、車には「ABOLISH(警察解体)」というスプレーでの落書きがされていた。
落書きを目にした直後、アレックスにデイモンの学校から連絡が入る。急ぎ学校へ向かったアレックスは、校長からデイモンが他の生徒とケンカをし、殴ったことで1週間の停学処分が決定したことを告げられる。デイモンを連れ帰宅すると、そこにケイラが訪れる。ケイラはジョンから依頼された「ホワイトマイク」に関する調査結果をアレックスに報告する。
「ホワイトマイク」とされる人物は、1998年にパンクバンドのライブで、ファンを生贄にするような過激な演出を披露していた。ケイラはその時の映像をアレックスに見せ、観客の最前列に若き日のエド・ラムジーが映っていることを発見する。さらに、ケイラは「ホワイトマイク」ことマイケル・グリシャムの住所をアレックスに伝える。フィラデルフィアに向かう準備を進めるアレックスだったが、祖母のレジーナから停学処分を受けたデイモンと向き合い、彼を立ち直らせるべきだと諭される。支度を終えたアレックスが出発しようとすると、レジーナはデイモンの準備を整えていた。連れていけないと主張するアレックスに対し、レジーナは父親としてデイモンと一緒にいるべきだと強く説得し、半ば強引にデイモンを同行させる。
ラムジーは拠点を屋敷から別の場所へ移し、アイリーンの歯型を基に作られた歯をシャノンに装着させた。アイリーンの外見にさらに近づいたことで、ラムジーはついにこの日が来たと歓喜する。
ケイラはジョンを訪ね、ラムジーが所有するとされる謎の口座を凍結し、契約者が名乗り出るまで資金の出入りを停止したことを報告する。一方で、その影響によりボビーはラムジーから送金されるはずだった報酬を受け取れなくなっていることに気付く。
アレックスが目的地に向かう途中、デイモンは停学処分となったケンカの原因を明かす。それは、アレックスが男性を殴り銃を突きつける例の動画だった。相手はジャニーや他の生徒の前でその動画を流しながらアレックスを侮辱し、デイモンがやめるよう求めても聞き入れなかったという。
アレックスとデイモンはファーストフード店に立ち寄り、注文したハンバーガーを車の前で食べながら会話を始める。デイモンは例の動画について、なぜ男性を殴ったのかをアレックスに問いかける。アレックスは「自分の勘違いだった」と答えるが、デイモンがさらに「それはマリアのことと関係があるのか」と尋ねる。最初は正直に答えようとしたアレックスだったが、デイモンがさらに踏み込むと、アレックスは強い口調で拒絶する。その反応を見たデイモンは、言葉を飲み込み、不機嫌そうに視線をそらし車に乗り込んだ。
ラムジーの拠点では、彼の誕生日パーティにも招かれていた医師マリア・デインが、シャノンの顔の傷を治療していた。その頃、アレックスの自宅には検事のコワレスキーが訪れていた。不在のアレックスに代わり応対したレジーナは、コワレスキーがディアドレの件で来たことを察し、「その件については私にも知る権利がある」と主張する。そして、彼女を家の中へと招き入れた。
「ホワイトマイク」ことマイケル・グリシャムの家に到着したアレックスは、ラムジーに関する話を聞き出す。そこで、ラムジーがホワイトマイクのファンだったロドニー・マッケイを殺害した事実を知る。マイケルが再生したビデオテープには、その衝撃的な瞬間が記録されていた。映像には、仰向けに拘束されたロドニーの心臓の上にナイフを構えるマイケルの手を、ラムジーが上から両手で押さえつけ、そのまま勢いよく心臓に突き刺す様子が映し出されていた。マイケルは、この映像が自分を共犯者と見なす可能性があるため、真実を誰にも話せずに苦しんでいたという。
アレックスは、ラムジーの悪事を暴きシャノンを救出するため、マイケルに証人として協力するよう説得を試みる。マイケルは悩みながらもその申し出に応じる決意を固める。
コワレスキーから話を聞いたレジーナは、ロジャーという男性の家を訪れる。コワレスキーから得た情報によれば、ディアドレが殺害を自供した際、2人の証人が共犯者の存在を証言していたという。そして、ロジャーはその証言と共犯者の名前を隠蔽したとされる人物だった。レジーナはロジャーに対し、共犯者の名前を明かすよう強く迫る。
警察署では、ジョンがマイケルの証言に基づき、ラムジーを直ちに逮捕するよう主張する。しかし、署長は慎重を期し、明朝の大陪審で起訴状を取得するまで待つべきだと指示する。それまでの間、マイケルの安全を確保するため、マッシー警部補が彼を準備した隠れ家の部屋へと案内する。
起訴状を待つ理由
起訴状は、犯罪容疑者を正式に起訴する際に提出される法律文書です。これは、容疑者が特定の犯罪を犯したという証拠に基づいて、法的手続きを進めるために必要とされるものです。起訴状を取得するためには、通常は検察官が証拠を集め、裁判所に提出して裁判官や陪審員が審査します。
起訴状がある場合とない場合の違いは以下の通りです
- 起訴状がある場合:
- 容疑者に対する正式な犯罪の告発が行われます。
- 裁判所の承認を得ることで、証拠の十分性が法的に確認された状態になります。
- 容疑者の逮捕や裁判手続きが法的にスムーズに進められます。
- 起訴状がない場合:
- 容疑者を逮捕しても、後で証拠が不十分とされれば釈放されるリスクがあります。
- 捜査や法的手続きが進む前に、裁判所から証拠不足を指摘される可能性があります。
- 法的な裏付けなしでの逮捕は、裁判官から疑問視されることもあり得ます。
署長が起訴状の取得を待つよう主張したのは、法的な確実性を重視し、捜査の妥当性を確保するための戦略と言えます。これにより、後の裁判手続きで証拠が不足しているという事態を防ぐことができます。
ジョンはケイラに、明朝行われるラムジー逮捕劇に一緒に立ち会わないかと誘う。一方、フィラデルフィアから帰宅したアレックスは、デイモンに対してマリアの話を拒んだことを謝罪する。そして、ふたりでマリアとの思い出を語り合った。
ケイラと一夜を共に過ごしたジョンは、翌朝ケイラと共にラムジーの屋敷へ向かう。屋敷の前で車を止め、車内で待機しているふたりのもとにラムジーが歩み寄ってくる。ジョンが「あんたを葬る証人を見つけた」と告げると、ラムジーは「本当に?」と意味深な笑みを浮かべて返した。
その頃、隠れ家の部屋で待機していたマイケルに、マッシー警部補は「何か食べないと持たないわよ」とドーナツを勧める。しかし、マイケルは「胃が痛いからいい」と断る。妊娠中のマッシー警部補は大きなお腹を見せながら、「私より楽なはずよ」と笑顔で返す。マイケルが蹴ったりするかと尋ねると、彼女は「パンチや宙返りもするわ」「名前はチャンス。今、動いたわ」と答え、お腹を触らせる。マイケルはお腹に耳を傾け、「やぁ、チャンス」と赤ちゃんに話しかける。そのマイケルの後頭部に、マッシー警部補が構えた銃の先がそっと向けられる。次の瞬間、大きな銃声が響き渡りマイケルがその場に倒れた。頭から血を流し、ピクピクと手足がかすかに動いている。マッシー警部補はとどめを刺すように、さらに一発、もう一発と発砲した。そしてお腹をさすりながら「大丈夫よ。心配ないわ、ママがうまくやる」と優しく語りかけた。
感想
いやぁ~最後は本当に衝撃的でしたね。見終わった後、思わず呆然としてしまいました。ラムジーの余裕たっぷりな態度から、何か大きな展開があるんだろうと思いながら観ていましたが…。マイケルの場面に切り替わってから、マッシーのお腹の子に話しかけるシーン。あの穏やかな雰囲気から、過去にタヴィオが狙撃されたように何か外部の要因が起きるんじゃないかとか、誰かが突然やってくるんじゃないかと勝手に予測してしまったんですが…。まさか、あれほど意外な展開になるとは想像もしていませんでした。銃口が見えた瞬間、「えっ!?うそ!?いやいや、ええええ~~!!」と声を上げてしまうほど驚きました。一番予想外の人物だっただけに、その衝撃も大きかったです。
彼女とアレックスについては、関係性の描写が独特でしたよね。理解はあるように感じられるけど、完全に深い信頼があるわけではない微妙な距離感があって。一方で第一話の段階から彼女のお腹が大きかったので、「すぐに産休に入るのかな」なんて安易に考えていた分、余計に驚きを倍増させられました。
マッシー警部補がラムジーと繋がっていたとなると、アレックスの動画を拡散させたのも、ウイスキーを教えたのも彼女なのか。次回以降のエピソードで動機や目的、ラムジーとの関係性なんかも明かされていきそうですね。
今回のエピソードでは、アレックスの怒りや葛藤が序盤からじっくり描かれていて、その心理的な揺れがとても印象的でした。ラムジーの悪事を暴いてシャノンを救おうとする正義感がありながらも、ラムジーの巧妙な策略に絡め取られ、結果として免職処分を受けてしまうアレックス。その理不尽さへの怒りが、皮肉にも親友であるジョンに向けられるところがまたリアルで、見ていて胸が苦しくなりました。
二人の激しい言い合いの場面は緊張感がありましたが、ジョンの落ち着きと大人な態度が際立ちますね。アレックスの感情を受け止めつつも、外から手回しをして彼を助けようとする姿には、友情の真価が感じられました。ジョンのこと最初怪しいと思っててすいませんでした汗
ラムジー逮捕の鍵となる証人を失ってしまったアレックスは、次にどのような手を打つのか。マッシー警部補の企みは何を意味するのか。そして、レジーナはロジャーからディアドレの共犯者の名前を聞き出すことができたのか、その正体とは一体誰なのか。
ますます目が離せない展開となりそうです!
それではまた次回のレビューでお会いしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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